海外赴任が決まった時、子どもがいるご家庭ならまず最初に「どんな学校があるんだ?そもそもシンガポールに一緒に行けるのか?!」と思うのではないでしょうか。
赴任先がシンガポールの場合、ご家族で一緒に来られる方も多いです。だけど、学校選びに住まい探しに何をどう進めたらいいのやら…
そんな暗中模索を潜り抜けて引っ越しを終えた方の経験談は、今まさに帯同しようとされている方の大きな力になるのではないかと思いました。そこで、ライオンファミリーくらぶでは、2026年にシンガポールにお引越しされてきた助産師の高倉あかりさんに「我が家のシンガポールの学校選び」というテーマで記事を寄稿いただきました。
まさにこれからシンガポールへ帯同されるご家族の参考になれば嬉しいです。
海外赴任は突然に|我が家のシンガポール学校選び

海外赴任が決まったとき、子どもの学校をどうするか。
日本人学校? インターナショナルスクール? 日系幼稚園?
選択肢が多いシンガポールだからこそ、悩むご家庭も多いのではないでしょうか。
わが家がシンガポールへの帯同を決めたのは、長女が小学校入学、次女が幼稚園入園を控えたタイミングでした。
性格がまったく違う姉妹。学校選びで重視したことも、それぞれ違いました。
今回は、駐在が決まってからの学校選びと、そこからつながった住居選びについて、わが家の経験をご紹介したいと思います。
海外赴任は突然に

夫は現在の会社に入ってから、ずっと海外赴任を希望していました。
特に子どもが生まれてからは、「子どもたちに海外生活を経験させたい」とよく話していました。夫自身も幼少期を海外で過ごし、その経験が強く思い出に残っているからです。
一方の私は、英語が話せず、日本が大好き。海外旅行は好きでも、海外で暮らすとなると話は別。正直、このまま日本で生活していければいいと思っていました。
そんな私の思いとは裏腹に、2025年11月末、突然海外赴任の話が浮上しました。
そして12月15日、翌年3月1日からのシンガポール赴任が決定。
3月1日って……あと2か月半しかない!
しかも、長女は卒園式を控え、4月からは公立小学校に入学予定。次女も保育園から幼稚園への転園が決まっていました。
私は当時、助産師として新たな仕事に挑戦しようとしていた時期でもあり、すぐに日本を離れる決心がつきませんでした。
半年ほど夫に単身赴任してもらうか。それとも、思い切って4月から母子もシンガポールへ渡るか。
悩んだ末、子どもたちに短期間で何度も環境の変化を経験させるのは負担が大きいと考え、夫は3月、私たちは4月に渡星することに決めました。
そうと決まれば、あとは突き進むのみ。
2026年1月8日。夫に正式な辞令が出たその日、私は日本で予定していた小学校・学童、幼稚園の入学・入園を取り消し、シンガポール日本人小学校へ定員の空き状況を問い合わせるメールを送りました。
こうして、わが家の学校選びが始まりました。
長女は日本人小学校一択だった

夫は「インターもどうのこうの……」とモゴモゴ言っていましたが、私の中で長女は日本人小学校一択でした。
というのも、長女は繊細で慎重な性格。初めての環境には緊張しやすく、英語だけの環境に入ることは、最初のうちはかなりのストレスになるのではないかと感じていました。
初めての海外生活。住む場所も、周囲の言葉も、生活習慣も変わる。
そんな中、学校まで英語だけの環境にする必要はないのではないか。
せめて学校では日本語で安心して過ごしてほしい。友達とのコミュニケーションや勉強で、必要以上に負担を感じてほしくない。
そんな思いから、長女についてはインターナショナルスクールを検討することはありませんでした。
シンガポールの日本人小学校は、クレメンティ校とチャンギ校の2校。
どちらも口コミがよく、教育内容について大きく悩むことはありませんでした。
むしろ、その後に頭を悩ませたのは、学校までの通学環境でした。
次女は日本語も英語も大切にしたかった

一方、次女の幼稚園選びは少し違いました。
次女は長女とは対照的に、外交的で好奇心旺盛な性格。
当時はまだ外国人と接する機会がほとんどなかったため、実際にどう反応するかはわかりませんでしたが、性格から考えると、外国人の先生にも比較的すぐになじめるのではないかと思っていました。
せっかくシンガポールで生活するのだから、英語にも自然に触れ、身につけてほしい。
でも、まだ日本語もこれから伸ばしていく大切な時期。
英語だけでなく、日本語も大切にしたいと思っていました。
また、慣れない海外生活の中で、日本人の先生がいることは、子どもにとって精神的な拠り所になるのではないかとも考えました。
もちろん、金銭面も重要です。
インターナショナルスクールの学費も考慮すると、わが家にとっては日系幼稚園が現実的な選択肢でした。
そこで候補にしたのが、外国人の先生の割合が高い日系幼稚園でした。
日本語の安心感を残しつつ、英語にも触れられる環境。私が求めていた条件に近いと感じました。
1月19日に定員の空き状況を問い合わせ、2月6日にはオンライン説明会に参加。
特に魅力を感じたのは、知識を詰め込むことよりも、子ども自身が考える力、いわゆる「地頭」を育てるという教育方針でした。
次から次へと興味が移り、何でも自分でやってみたい次女には、ぴったりかもしれない。
そう思いました。
さらにありがたかったのが、複数ある園のうち、どちらに通うかを後から決めてもよいという柔軟な対応。
まだ住居が決まっていなかったわが家には、とても助かる条件でした。
2月10日には入園を決め、登録料も納付。
幼稚園選びについては、自分でも驚くほどのスピード感でした。
学校選びと住居選びはセットだった

学校の候補が決まったところで、次に問題となったのが住居選びです。
シンガポール日本人小学校は、基本的に居住地域によってクレメンティ校かチャンギ校かが決まります。
つまり、どこに住むかによって通う学校が変わるのです。
そして私が何より気にしたのは、スクールバス。
住む場所によっては乗車時間が長くなり、朝6時台に出発することもあると知りました。
いやいや、6時台って!
日本でも毎日そんな時間に出発した経験はありません。
さらに、スクールバスの停留所が自宅コンドミニアム(以下、コンド)から近いことも重要でした。
日本人の多い地域ではバスの利用希望者が集中し、ウェイティングが発生することもあるという情報も。
もしバスに空きがなければ、空きが出るまで公共交通機関で通学することになるかもしれない。
慣れない海外生活で、毎朝子どもを連れて公共バスで小学校へ……。
想像するだけで、母子ともにストレスが大きそうです。
そんなわけで、わが家の住居選びは、部屋の間取りや設備よりも先に、学区の地図とスクールバスの停留所を調べるところから始まりました。
西側か東側か。噂にも振り回された。

前任者の方におすすめの居住地域を聞いたり、AIに相談したりして、いくつかの候補地を挙げました。
それぞれの地域から小学校や幼稚園までの通学時間を調べ、比較していきました。
また、学校の保護者付き合いについても、いろいろな噂を耳にしました。
「クレメンティ校は保護者同士の助け合いが盛ん」
「チャンギ校は高級ランチなど、保護者付き合いが大変」
えっ、そうなの?
海外生活が始まる前から、保護者付き合いで疲れるのは避けたい……。
しかし、実際に通い始めてみると、少なくとも私自身はそんな大変な付き合いを経験していません。
今思えば、どこまで本当かわからない噂に、ずいぶん振り回されていたものです。
これから学校を選ぶ方には、こうした口コミはあくまで個人の経験や印象として受け止めてほしいと思います。
西側にするか、東側にするか。
かなり悩みましたが、最終的には、自分が住みたいと思える街が多いエリアを選ぶことにしました。
子どもの通学が最優先とはいえ、そこで毎日生活するのは私自身でもあります。
自分が気に入った街で暮らせることも、大切にしたいと思いました。
家探しなのに、部屋よりバスストップ。

住むエリアをある程度絞ったところで、不動産屋さんから空いているコンドのリストをもらいました。
普通なら、まずは部屋の広さや間取り、設備を確認するのでしょう。
でも、私が真っ先に調べたのは、
「ここから小学校のバスストップまで何分?」
「スクールバスには何分乗ることになる?」
「幼稚園まで徒歩何分?」
ということ。
物件の住所を地図に入力し、学校や幼稚園への所要時間をひたすら計算しました。
その結果を見て、「ここはアリ」「ここはナシ」と判断。
もはや不動産探しというより、通学経路の調査です。
特に重視したのは、次女の幼稚園へのアクセスでした。
当時の次女は、長い長いイヤイヤ期の真っ最中。
(ちなみに、現在も継続中です。)
朝の支度ひとつとっても、何が起こるかわからない。
そんな次女を毎日幼稚園に連れていくことを考えると、徒歩で通いやすいことは重要な条件でした。
内覧後も、コンドから小学校のバスストップまでの所要時間と、幼稚園までの徒歩時間を確認。
ただ、結局入園後は幼稚園バスを利用することになったので、この努力はあまり意味がなかったのですが……。
まあ、そんなこともあります。
実際に通い始めてわかったこと

こうして、長女は日本人小学校、次女は日系幼稚園への入学・入園が決まりました。
実際に通い始めてみると、駐在前にはわからなかったこともありました。
そのひとつが、次女の日本語教育です。
私は入園前、日系幼稚園ということもあり、日本語の学習もあるものと思っていました。
しかし実際には、期待していたような日本語の授業はありませんでした。
英語を身につけてほしい一方で、日本語もこれから伸ばしていきたい年齢。
日本語の読み書きについては、家庭でどう補っていくかが今の課題になっています。
教育方針や英語環境には魅力を感じていますが、入園前に日本語教育の内容をもう少し具体的に確認しておけばよかったと思っています。
「日系幼稚園だから日本語の学習もあるだろう」と思い込まず、実際にどのような言語で、何を、どの程度学ぶのかを確認することが大切だと感じました。
とはいえ、次女は今の幼稚園が大のお気に入り。先生もひとりひとりを大事にしてくれるので、トータルでは選んで正解だったと思っています。
一方、長女については、日本語で安心して学べる環境を選んだことは、わが家にとってよかったと思っています。
初めての海外生活で、学校まで大きく環境を変えなくてもよかった。
それぞれの性格に合わせて学校を選んだことは、間違っていなかったと感じています。
学校選びで大切にしたかったこと

今回の海外赴任にあたり、住居選びの主導権は完全に私が握っていました。
夫の通勤よりも、子どもたちの通学。
部屋の条件よりも、毎日の送り迎え。
とにかく、子どもたちの生活をどうやって無理なく回すか。
そればかりを考えていました。
もちろん、どの学校がよいか、何を優先すべきかは、子どもの性格や年齢、家庭の方針によって違うと思います。
わが家の場合は、
長女には、日本語で安心して学べる環境。
次女には、日本語の安心感を残しながら、英語にも触れられる環境。
そして2人に共通して、毎日の通学負担をできるだけ少なくすること。
この3つを大切にしました。
海外赴任が決まると、学校、住居、ビザ、引っ越し……と、短期間で決めなければならないことが山ほどあります。
しかも、現地で暮らしたことがないのに、これからの生活を想像して判断しなければなりません。
正解は、実際に住んでみるまでわからないものです。
それでも、子どもの性格や家族の生活を思い浮かべながら、優先順位をつけていくことはできます。
今、私は住んでいる地域もコンドも、とても気に入っています。
学校選びから始まった住居探しでしたが、結果的に家族に合った生活環境を選べたと思っています。
これからシンガポールに駐在されるご家庭に、わが家の経験が少しでも参考になればうれしいです。
※学校の通学区域、スクールバスの運行ルートや空き状況、幼稚園の教育内容などは、年度や居住地域によって変わる可能性があります。最新情報は各学校・園へ直接お問い合わせください。
今回寄稿してくださった方のご紹介
たかくらあかりさん|助産師・2児のママ
2026年4月、旦那様の海外赴任に伴い、2人の娘さんとシンガポールへ。
日本では約20年間、助産師として活躍され、子育てと仕事を両立されてきました。現在はお仕事を離れ、シンガポールで新しい暮らしを送られています。
あかりさんが大切にされているのは、「自分の考えを押し付けず、その人や家族に合った選択を一緒に考えること」。
今回の学校・住まい選びにも、娘さん一人ひとりの気持ちや、ご家族の暮らしを大切にされる姿勢が伝わってきますね。
あかりさんはnoteやインスタグラムでも発信されていて、海外赴任を機に仕事を離れた心境や、子育ての中で感じたことなども率直に綴られています。
今回の記事を読んで、渡星準備のリアルな経験をもっと知りたい方や、あかりさんの考え方に共感された方は、ぜひ覗いてみてくださいね。
また、あかりさんは現在、シンガポールで子育てをしながら、現地の妊娠・出産・育児について学ばれています。
「ママ友が助産師だった」くらい、妊娠・出産・育児について気軽に話せる存在になりたい。
そんな思いを持つあかりさんの、これからの発信にもぜひ注目してくださいね!
終わりに
このブログでは、シンガポールでの子どもとの暮らしが安心で、もっと楽しくなるように、妊娠・出産・育児・おでかけ・暮らしの情報を、在住ママ目線で発信しています。

また、Instagramでは、シンガポールの子育てが楽しくなるイベント情報や、ブログには書ききれない日常のことも発信しています。よければそちらも覗いてみてください。


